スーツの女性

転職活動の状況はコロナ禍前後で大きく変化しました。それは、働き方や生活、生き方に対する個々の価値観や社会の流れに大きな変化が生じたことに起因します。
一言で転職といっても、個人の理由や外的要因などそれぞれに理由があることでしょう。コロナ禍後の通販天職をご利用いただいた転職成功事例を通して、通販業界の転職活動の状況をまとめました。この記事では「転職を決意した理由」から転職活動の状況を読み解きます。
現在、転職に迷いや不安がある方はぜひ参考にし、前向きな一歩を踏み出してください。

転職を決意した理由から見える通販業界の転職活動

多い理由は成長や新しい挑戦や将来を考えてなど自分の人生と仕事を考えたものになりますが、コロナ禍以前よりも会社や部署の経営状況により仕事が無くなった、解雇されたなどの理由が増えている傾向があります。もちろん個人や就職していた企業の状況はそれぞれ個別の状況がありますので、あくまで傾向となります。

転職を決意した理由から見える通販業界の転職活動の実態を見てみましょう。ここでは、実際にコロナ禍で、通販天職を通じて転職を成功させた人の声をいくつかの事例とともに紹介します。

理由その1「成長・新しい挑戦」

仕事において自身の成長感や挑戦を大事にする人は多く、30代後半くらいから、ある程度の年齢になると、仕事や人生において今後のための経験を積みたいと考えるようになります。また、転職を考える理由として、新たな業界にチャレンジしたいなどの理由もあるでしょう。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大を経て、キャリア形成に対する考え方も変わってきました。働き方に対する価値観が大きく変わったのも「成長・新しい挑戦」を試みる人が増えた要因のひとつです。

リモートワークが主流になったことにより、ライフプランについても深く考え、自分が生涯どういう働き方、生き方をするべきか、自分個人の力が重要だと考えるようにシフトしています。
外的要因によって何が起こるかわからないということを体験し、新しい挑戦をするハードルが下がったとも言えるでしょう。近年、副業にチャレンジする人が多いのもこれに起因します。
ここで、成長、新しい挑戦が転職理由になった人の事例を紹介しましょう。

転職を決意した理由
「成長できるフィールドが欲しく、自身の市場価値をあげていく経験を積みたいと思ったため。」
業種
出版業界
営業事務
職種
マーケティング支援
営業
転職を決意した理由
「ECコンサルタントで、クライアントワークよりもメーカー側で働きたいという気持ちが強くなったため。」
業種
ECコンサルティング
健康食品・医薬品販売
職種
コンサルタント
WEB販促企画運用
転職を決意した理由
「ブランドの立ち上げとクローズを繰り返すゼロイチの部署にいたため、やりたかったCRMに専念できないこと、限定的なスキルしか身につかないことに課題を感じていました。
安定したブランドでCRMに専念できる環境と、ゆくゆくは通販スキルを一気通貫で学べる環境に身を置きたいと考え、転職を決意しました。」
業種
化粧品・健康食品通販メーカー
化粧品通販メーカー
職種
ゼロイチブランドチームのリーダー CRM/CS担当
CRM/通販ゼネラリスト

理由その2「年収アップ」

年収のアップも転職の大きな理由になります。やはり、年収のアップは、仕事のモチベーションの向上につながる要素のひとつでしょう。年収のアップはある意味「自分の評価が向上した」ということにも繋がります。長く同じ会社で働いても、年収アップはすぐには見込めない、今後もある程度、アップ率が決まってしまうこともあり、転職に前向きになるきっかけにもなります。すぐに転職などが難しい場合、現在の給与に納得がいかない場合は、自身の実力を加味しながら、交渉することも方法として念頭に入れておきましょう。

しかし、状況によっては交渉してもアップは期待できない、逆に大幅にダウンする可能性もあります。
ではここで、年収アップが転職理由になった人の事例を紹介します。コロナ禍により、失業などの可能性を感じたこと、十分な貯蓄がないと生活不安に陥ることを体験したことで、年収をアップし十分な蓄えを得る事の必要性を実感したことでしょう。注意しなくてはならないのは転職を繰り返すごとに年収が下がる可能性もありますのでタイミングや自身のスキルなどを高めておくことが重要です。

転職を決意した理由
「インボイス導入時期に非課税対象者の業務請負契約完了の通告があったため。
年収の大幅ダウンが予測できたのと今後、不安定な契約になりそうなので転職を決意いたしました。」
業種
化粧品通販
カタログ製作
職種
デザイナー(業務委託)
編集デスク(正社員)
転職を決意した理由
「自身の年収とスキルアップをしたく、転職を決意しました。」
業種
健康食品通販
化粧品通販
職種
コールセンター
コールセンター

理由その3「会社の状況変化」

転職せざるを得ない状況はいつ何時起こるかわかりません。それはコロナ禍で十分理解したことです。また、勤務先がコロナの影響を大きく受けた人もいるでしょう。ここでは、会社の状況変化が転職理由になった人の事例を紹介します。
4年という長期にわたるコロナ禍によって、業績が著しく下がった企業や倒産した企業も。これにより職を失った人、会社の先行きに不安になり転職を考える人が増加しました。

これまでの新型コロナウイルスの影響による破綻件数は2020年からのぼり続け、2023年12月31日時点での累計は8,044件(倒産7,846件、弁護士一任・準備中198件)となりました。2023年は3,201件で、この数字は前年(2,282件)から4割増加となっています。
これは、コロナ禍によって働き方が変わり、非効率な会社は生き残れなくなった結果と言えるでしょう。また暮らしや価値観が変わったことで消費動向にも変化が起こったことも大きく影響しています。

転職を決意した理由
「コロナの影響で仕事が無くなったため」
業種
化粧品
化粧品通販
職種
販売
営業
転職を決意した理由
「コロナの影響もあり、所属部署が廃止になることが決まり、編集の仕事が続けられない状況になったため。」
業種
広告企画制作
広告企画制作
職種
編集部
編集部
転職を決意した理由
「コロナ禍により転職を考えるようになったため。」
業種
化粧品
化粧品
職種
Webデザイナー
Webデザイナー

出典:東京商工リサーチ
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198263_1527.html

理由その4「将来への不安」

将来の不安から転職をする人は、決して少なくありません。その理由としては、以下のようなものが挙げられます。業界の将来性への不安、会社の経営状況への不安、自身のスキルやキャリアへの不安などです。これらの不安を抱えたまま、現職に留まると、将来的に大きな不安定さを感じることになるでしょう。そのため、転職によって、将来への不安を解消しようと考える人は多いようです。
また、自身の理由だけでなく、外的要因に不安や希望が持てないことも理由としてあげられるでしょう。社内体制や人間関係に不満があると長期就業のイメージはできません。コロナ禍での社会の流れが、働き方や生き方の価値観を変化させ、よりそういった思いを助長したということもあると言えそうです。漠然とした不安から、本当にやっておきたい仕事をしたいと思うようになったというケースもあります。転職について悩む場合は、一度、社内で信頼できる人に相談してみるという方法もあります。客観的な意見をもらうことで自身を見直す機会もできるでしょう。将来への不安が転職理由になった人の事例を紹介します。現在、迷いが生じている人はぜひ参考にしてみてください。

転職を決意した理由
「関係のない社内トラブルに巻き込まれ、長期就業の目途が立たなかったため」
業種
害虫駆除系
WEB関連
職種
デザイナー(業務委託)
EC運営
転職を決意した理由
「将来への不安。」
業種
化粧品企画会社
化粧品通販
職種
化粧品メーカー
デザイナー

理由その5「引っ越し」

引っ越しが伴う場合、転職せざるを得ない状況になります。コロナ禍を経て、リモートワークなど場所の制約を受けない働き方が可能になった人も多いのも現状です。しかし、まだまだ一部の人であり、株式会社パーソル総合研究所の調査によると、2023年7月時点でのテレワーク実施率は、正規雇用社員で22.2%となり、昨年同時期の25.6 %から微減(-3.4ポイント)しました。2020年4月以降で最も低くなっています。

リモート勤務の減少には、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束し、オフィスへの出社が可能になってきた、社内でコミュニケーション不足や生産性低下などの課題が指摘されたこと、企業の経営状況が悪化し、コスト削減が求められるようになったことが挙げられます。また、2023年10月には、厚生労働省が在宅勤務の際の残業代算定方法の見直しを検討していることが報道されました。この見直しが実現すれば、在宅勤務の際の残業代が減額される可能性があるため、企業は在宅勤務を控える傾向が強まるとみられます。ここでは、引っ越しが転職理由になった人の事例を紹介します。
引っ越しによる転職は、メリットもデメリットも大きいため、慎重に検討する必要があります。また、転職活動と引っ越し準備を同時に進めることになるため、スケジュールをしっかりと立てて、計画的に進めることが大切です。新しい環境に適応するためには、時間と努力が必要です。あらかじめ、新しい環境に適応するための準備をしておきましょう。例えば、転職先の社風や仕事内容を調べておく、新しい友人や知人を作るなどの準備をしておくとよいでしょう。

転職を決意した理由
「結婚に伴う引越しで退職したのですが、やはり働きたいと思い転職を決意しました。」
業種
小売・量販店
カタログ製作
職種
MD・バイヤー
MD・バイヤー
転職を決意した理由
「家族の都合で移住を予定しており、そのタイミングで転職を決意して活動を行いました。」
業種
食品関連
総合通販
職種
物流
物流
転職を決意した理由
「自動車部品の生産管理(受発注、物流、品質、在庫管理)をしていたが、実家の親が高齢となり健康面が心配となってきたので、実家に近い場所でよく似た仕事を探すことにした。」
業種
製造業
通信販売(健康食品)
職種
生産管理・物流
物流担当(フルフィルメント)

出典:第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査 調査結果 株式会社パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/telework-survey8.pdf

まとめ

転職理由は、転職活動において、必ず聞かれる内容です。自己分析を行い、なぜ自分が転職するのか、しなくてはならないのか明確にすることで、自己分析ができ、転職を成功させることができるしょう。コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、個人がより長期的なキャリアをイメージするようになり、これまで以上にキャリア形成や転職、副業など働き方の選択肢は広くなっているともいえます。逆を返せば、選択枠が広がった分、競争相手も増え自身の考えや芯を持って転職活動をしなくては採用されないといっても過言ではありません。

企業はここ数年で採用傾向を変えているのも事実です。現在の会社に不満がある、年収をあげたいなどの端的な理由では採用されることは難しく、自分がどのようなキャリア形成を見込み、企業にどれだけ貢献できるか、どんなことにチャレンジしたいかなど、転職を決意した理由を自身の言葉で伝える、しっかりとした意識、展望を持っていることが重要になっています。
こういった、採用の流れや社会の現状、情報をしっかりとキャッチしていくことが現在の転職活動において重要であり、転職を成功させる大きなポイントとなります。