「来年あたり、転職しようかな」

EC・通販業界で働いている方から、そんな話を聞くことがあります。

ただ、9月や10月の段階では、まだ具体的に応募するところまでは考えていない。今の会社を辞めると決めたわけでもない。

「もう少し今の仕事をやってから考えたい」

「年末商戦が終わってから動こうかな」

そんな方も少なくありません。

実は、こういう時期こそ、一度自分のキャリアを整理しておくのに向いています。

転職活動は、求人に応募した日から始まるわけではありません。

自分は何ができるのか。

今の経験は、他社ではどう評価されるのか。

次に行くなら、どんな仕事が向いているのか。

こうしたことを考えておくだけでも、いざ転職しようと思ったときの動き方はかなり変わります。

特に2026年は、生成AIが転職活動にも入り込むようになりました。

職務経歴書を作ったり、自分の強みを整理したり、求人を比較したりすることは、以前よりずっと簡単になっています。

一方で、EC・通販業界の転職では、AIに聞いただけでは分からないこともあります。

今回は、2027年の転職を少しでも考えている方に向けて、2026年の年内にやっておきたいことを5つに絞って紹介します。


まずは「自分は何ができるのか」を整理してみる

転職の相談を受けていると、

「ECの仕事を5年やっています」

「楽天の運営経験があります」

という話から始まることがよくあります。

もちろん、それも大切な経験です。

ただ、企業側が知りたいのは「何年経験したか」だけではありません。

その経験を使って、何ができるのか。

どんな仕事を任せられるのか。

どんな成果を出してきたのか。

ここまで整理できると、自分の市場価値が見えやすくなります。

例えば、楽天市場を担当していたとしても、仕事内容は人によってかなり違います。

商品登録が中心だった人もいれば、売上分析や広告運用まで担当していた人もいるでしょう。

Amazonや自社ECを並行して担当していた人、CRMまで関わっていた人、チームをまとめていた人もいます。

同じ「EC運営経験」でも、企業が評価するポイントは変わってきます。

だからこそ、まずはこれまでの仕事を一度細かく書き出してみてください。

こんなところまで思い出してみる

  • どのECモール・ECサイトを担当していたか
  • どんな商品・カテゴリーを扱っていたか
  • 売上や利益にどこまで関わっていたか
  • 広告運用を担当したか
  • ROASやCPAなどの数値を見ていたか
  • CVR改善に取り組んだか
  • CRMやリピート施策を行ったか
  • LINEやメールマーケティングを経験したか
  • データ分析をどのように行っていたか
  • 外部業者や制作会社とのやり取りをしていたか
  • チームのマネジメントを経験したか
  • 業務改善やシステム導入を行ったか
  • AIや自動化ツールを仕事に取り入れたか

そして、できれば「やったこと」だけでなく「その結果」まで振り返ってみます。

「楽天市場を担当した」よりも、

「楽天市場の広告運用と商品ページ改善を担当し、売上改善に取り組んだ」

のほうが、どんな仕事をしてきたのかが伝わります。

さらに数字が出せるのであれば、

「前年同期比で売上を○%伸ばした」

「広告運用を見直してROASを改善した」

「業務フローを変更して作業時間を削減した」

というところまで整理できます。

転職を考え始めたら、まず職務経歴書を書く。

それも間違いではありません。

ただ、その前に「自分は何をしてきたのか」を整理する時間を作ってみてください。


AIには「職務経歴書」より先にキャリアを聞いてみる

2026年の転職活動で、以前と大きく変わったことの一つがAIです。

ChatGPTなどの生成AIを使えば、職務経歴書の文章を整えることもできますし、自己PRを考えることもできます。

便利になった一方で、

「AIに職務経歴書を書いてもらったら、それで転職準備は終わり」

という使い方では少しもったいないと思います。

むしろおすすめしたいのは、自分のキャリアについてAIに質問してみることです。

例えば、

「EC業界でこれまで○○の仕事をしてきました。この経験の中で、転職市場で評価されやすいものを整理してください」

と聞いてみる。

あるいは、

「私の経験は、EC運営、WEBマーケティング、CRM、事業企画のどの仕事に活かせそうですか?」

と聞いてみる。

自分では当たり前だと思っていた経験が、別の職種では強みになることがあります。

反対に、

「思っていたより、この経験は企業から評価されにくいのかもしれない」

と気づくこともあります。

AIを使うことで、自分一人では気づきにくかったことを整理するきっかけになります。

ただし、ここには一つ注意があります。

AIが「市場価値が高い」と答えたからといって、そのまま転職市場で高く評価されるとは限りません!

実際の採用では、企業がその時にどんな人材を必要としているのか、そのポジションで何を任せたいのか、これまでの経験をどう活かせるのか、といったことが関係します。

AIはキャリアを整理するには非常に便利です。

でも、最後の判断までAIだけに任せる必要はありません。

AIで整理して、人に確認する。

これからの転職では、そんな使い方が現実的なのではないでしょうか。


年内に「あと一つ」実績を作っておく

もし2027年に転職する可能性があるなら、2026年の残り期間で考えてほしいことがあります。

それは、

「今の会社で、もう一つだけ数字で話せる実績を作れないか」

ということです。

転職を考えると、資格を取ったほうがいいのではないか、新しいスキルを勉強したほうがいいのではないか、と考えがちです。

もちろん、それが必要なケースもあります。

ただ、今すでにEC・通販の仕事をしているのであれば、今の仕事の中で成果を一つ作ることも十分な準備になります。

例えば、

  • ECサイトの売上改善
  • CVR改善
  • 広告ROAS改善
  • CPA削減
  • CRM施策によるリピート促進
  • LINE経由の売上改善
  • Amazon・楽天市場の売上改善
  • 業務効率化
  • AIを使った工数削減

などです。

大きなプロジェクトでなくても構いません。

今までやっていなかった施策を一つ試して、その結果を確認してみる。

それだけでも、転職するときに話せる材料になります。

例えば、

「AIを使っています」

よりも、

「AIを使って○○の作業を効率化し、月○時間の工数を削減しました」

のほうが、企業側にも仕事への活かし方が伝わります。

AIについても同じです。

2026年の転職市場で大切なのは、「AIを使える」と言うことだけではありません。

AIやデジタルツールを使って、仕事や事業をどう変えたのか。

そこまで話せると、経験としての価値が変わってきます。

2027年の面接で、

「2026年の後半に、こういう課題がありました。そこでこういう施策を行い、こういう結果になりました」

と話せる実績を一つ作っておく。

これは、今からでもできる転職準備です。


「まだ転職しない」人ほど、求人を見ておく

「まだ転職するつもりはないから、求人を見る必要はない」

そう考える方もいると思います。

でも、個人的には、応募しなくても求人は見ておいたほうがいいと思います。

理由は簡単です。

今、企業がどんな人を求めているのかが分かるからです。

例えば、自分がEC運営をしているなら、同じEC運営の求人をいくつか見てみる。

WEBマーケティングなら、WEBマーケティングの求人を見てみる。

そして、

「必須条件には何が書かれているか」

「歓迎条件にはどんな経験が多いか」

「年収はどのくらいか」

「マネジメント経験は必要なのか」

「データ分析やAI活用の経験が求められているか」

などを見てみます。

10件も見れば、何となく傾向が見えてきます。

そこで、

「自分はここまでできる」

「これは経験がない」

「この経験をもう少し積んだほうがよさそう」

ということが分かります。

求人を見ることは、転職活動を始めることではありません。

むしろ、

「今の自分が市場のどこにいるのかを知る作業」

と考えればいいと思います。

9月、10月の段階で求人を見ておけば、2027年になってから突然焦って求人を探す必要もありません。


転職するか決めていなくても、一度専門家に相談してみる

ここまでやってみても、

「結局、自分の経験ってどのくらい評価されるんだろう?」

という疑問は残るかもしれません。

そんなときは、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。

「転職することを決めてから相談するもの」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

例えば、

「今すぐ転職するつもりはありません。ただ、自分の経験が市場でどう評価されるのか知りたいです」

という相談でもいいのです。

特にEC・通販業界では、業務内容を少し掘り下げないと、その人の強みが見えないことがあります。

楽天の運営経験がある。

Amazonの経験がある。

自社ECの経験がある。

広告運用ができる。

CRMも経験している。

データ分析までできる。

チームマネジメントも経験している。

こうした経験の組み合わせによって、紹介できる求人や企業側から見た評価は変わってきます。

また、求人票だけでは分からないこともあります。

「なぜこのポジションを募集しているのか」

「実際にはどんな人を求めているのか」

「今いる社員にはどんな経験があるのか」

「この経験なら、どのポジションを狙うのが現実的なのか」

こうしたことは、業界や企業を継続的に見ている人だからこそ分かる部分があります。


通販天職の転職実績から見る、EC人材のキャリア

ここまで「これから転職する人」の準備について書いてきました。

では、実際にEC・通販業界では、どんな転職が行われているのでしょうか。

通販天職では、2020年から2025年までの転職実績をもとに、転職時の年収や職種、年代などを継続して見てきました。

そこで見えてくるのは、

EC経験者のキャリアは、EC運営だけに限られない

ということです。

WEBマーケティング、CRM、WEBディレクター、広告運用、MD・バイヤー、CS、クリエイティブなど、これまでの経験を活かして別の領域へキャリアを広げるケースもあります。

「自分はEC運営しかやっていないから、次もEC運営しかない」

と考える必要はありません。

これまで何をしてきたのかを細かく見ていくと、意外なところに次のキャリアにつながる経験が見つかることがあります。

実際の転職実績については、年度ごとに通販天職の記事にて詳しく紹介しています。

 


AIに聞く。求人を見る。そして、人にも聞いてみる

2026年の転職準備は、以前より便利になりました。

AIに自分のキャリアを聞くことができます。

求人を検索して、たくさんの企業を比較することもできます。

職務経歴書の文章を整えることもできます。

(でも自身で修正してくださいね。AIだけの内容は見るとすぐわかります)

だからといって、人に相談する必要がなくなったわけではありません。

むしろ、情報が増えたからこそ、

「結局、自分の場合はどうなのか」

を考えることが難しくなっているようにも感じます。

AIは、自分の経験を整理するのに使う。

求人サイトでは、市場を見る。

そして、自分では判断しにくいところは、EC・通販業界を知っている人に聞いてみる。

このくらいの距離感でAIや転職サービスを使ってみてもいいのではないでしょうか。


まとめ|2027年に転職するなら、2026年の残りをどう使うか

2027年に転職するかどうか、今の段階で決める必要はありません。

ただ、もし少しでも「来年は転職するかもしれない」と思っているなら、年末までにやっておいてほしいことがあります。

まず、自分がこれまで何をしてきたのかを整理する。

「EC経験○年」ではなく、担当してきた仕事と成果まで振り返る。

次に、AIを使って、自分の経験を別の角度から見てみる。

そして、今の仕事の中で、あと一つだけ数字で話せる実績を作る。

求人を見て、今の市場でどんな経験が求められているのかを知る。

最後に、自分だけでは判断できないところは、専門家に聞いてみる。

これだけでも、すぐにスタートができますし

来年の2027年のスタートならかなり変わるはずです。

転職は、会社を辞めてから考えるものではありません。

「いつでも転職できる」と思える状態を作っておくことも、一つのキャリア形成です。

そして、AIを使ってキャリアを整理することも、求人サイトで市場を見ることも、以前よりずっと簡単になりました。

ただ、

自分の経験が本当にどこで活かせるのか。

どんな企業なら、自分の強みを評価してもらえるのか。

ここは、実際に人と話してみないと分からないことがあります。

AIで整理する。

求人で市場を見る。

そして、必要なら専門家に相談する。

次のステップアップの転職に向けて、まずはこのくらいから始めてみてはいかがでしょうか。

転職は、最後は人と人。

通販天職は、1991年創業のEC・通販業界に特化した転職エージェントです。

「まだ転職するか決めていない」

「自分の経験がどのくらい評価されるのか知りたい」

「2027年に向けて、今から準備しておきたい」

そんな段階でのご相談も歓迎しています。

EC・通販業界で積み重ねてきた経験を、次のキャリアにどうつなげるのか。

求人票だけでは分からない企業側の情報も含めて、一緒に考えていきます。

2027年の転職を考えるなら、まずは2026年のうちに、自分のキャリアを整理するところから始めてみませんか。