1，年末商戦前の採用が“勝負の分かれ目”
通販業界にとって、11月から12月は1年で最も売上が動く時期。
クリスマス・お歳暮・年末セールなど需要が集中し、通常の2倍以上の受注が発生する企業も少なくありません。
この時期に“人手不足”が起きると、出荷遅延や問い合わせ対応の混乱、顧客満足度の低下など、売上以上にブランド信頼を失うリスクもあります。
本格的な繁忙期に入る前に採用を動かしておくことで、教育期間を設け、チーム体制を整えることができます。
2，今採用を始めるべき3つの理由
① 教育・引き継ぎの時間を確保できる
11月のうちに採用すれば、年末商戦を迎える前に研修やOJT期間を確保できます。
EC運営、コールセンター、物流など各現場では、即戦力でも社内ルールや商品理解に時間が必要。
繁忙期に入ってからでは「教える余裕」がなくなり、結果的に戦力化が遅れてしまいます。
② 通販経験者が“動く”時期である
この時期、40代前後の通販経験者が転職活動を始める傾向があります。
理由は、「年内での区切りをつけたい」「来期の体制変更を前に、次の環境を考えたい」という意識が高まるためです。
実際、弊社『通販天職』でも、10月〜12月にかけて通販業界経験10年以上の人材からの登録が増加します。
③ 年内採用は来期のスタートダッシュにつながる
年末に採用した人材は、1〜2月の閑散期に育成期間を取りやすく、翌年度の販促や新規施策にすぐ着手できる。
単なる「年末要員」ではなく、中長期的に組織を強くする投資採用につながります。
3，企業が狙うべきは「30代即戦力」だけではない
多くの企業が採用条件で「30代・即戦力」を設定しますが、通販業界ではそれが必ずしも最適解とは限りません。
現場を動かし、売上構造を理解している層は、実は40代の中堅層に多く存在します。
40代の人材は、
・管理職またはリーダー経験があり、教育や体制整備も任される
・広告、EC、CRM、物流など複数領域を横断的に理解している
・経験から「何をすれば成果が出るか」を実装できるといった強みをもっています。
企業がこの層を採用できれば、採用・教育・マネジメントのすべてにリターンがあるのです。
4，年収面は「現年収考慮・アップ提示」で差をつける
40代層は、キャリアが安定しており、転職理由の多くが「条件不満」ではなく「働き方・理念のマッチ」。
そのため、企業が「現年収考慮」や「前職年収以上を保証」などを明示することで、採用の動機づけが大きく変わります。
たとえば、
・現年収＋50万円提示でも、1人採用で人材育成コストを数年分削減できる
・マネジメント経験者採用で、現場の離職率・教育コストを抑制できるなど、40代採用は短期的な
コスト以上の成果を生み出す投資になります。
5，採用が集中する職種と今の動き
現在、年末にかけて特に動きが活発な職種は以下の通りです。
・カスタマーサポート・SV職：問い合わせ件数増加対策
・EC運営担当、マーケティング職：年末キャンペーン・在庫管理対応
・物流・フルフィルメント職：出荷ピーク対応
・CRM・データ分析職：リピート施策・LTV最大化
この時期に採用活動を止めてしまうと、人材が他社に流れるリスクが高まります。
特に通販経験者は即戦力として複数社から声がかかるため、「早く動いた企業が採れる」という構図です。
6，採用成功のポイント
・「即戦力」に加え「次の中心メンバーを採る」という中長期視点を持つ
・年収提示を柔軟に見直し、40代経験者にもアプローチを広げる
・面接時に“理念・働き方・安定性”をしっかり伝えることでミスマッチを防ぐ
・求人媒体を1つに絞らず、露出を最大化する
まとめ
通販業界における人材確保は、「繁忙期前のスピード」と「経験層への理解」が鍵です。
今動けば、年末商戦を安心して迎えるだけでなく、来期に向けた強い組織づくりが可能になります。
そして何より、40代の優秀な人材を迎え入れることで、企業の中に“経験という資産”を蓄積できる。
短期採用ではなく、未来への投資として採用戦略を見直す好機が、まさに今です。
