給与交渉

転職活動において給与は大きな判断材料となります。そのため応募先が提示する給与額に交渉の余地があるのなら、企業の選択肢を増やすことができ、より転職活動を成功させやすくなります。
本記事では一般的な給与の決まり方や給与交渉のポイント・注意点を解説していますので、ここで紹介する内容を押さえて交渉に臨むと良いでしょう。

給与はどのように決められているのか

中途採用者の給与の決まり方に関して、細かな指標や方法は企業ごとに異なりますが、金額を左右する要因として共通しているものも多いです。以下ではまず、一般的な給与の決め方を見ていきます。

給与テーブルがベース

多くの企業には給与テーブルが存在しており、それを基にある程度の給与額が決定されます。これは給与額の指標のようなもので、年齢や勤務年数、階級、役職などの項目によってベースとなる給与額が示されています。採用者の年齢や役職を給与テーブルに当てはめて考えれば良いため、給与決定にかける人事担当者の手間が少なくなり、採用者にとっても客観性があり納得の得られる給与としやすくなります。
一昔前まで年功序列制度が一般的であった日本の企業においては、この方法が広く浸透しており、特に従業員数の多い大企業でよく見られました。しかし近年では、年功序列制度を廃止する企業が増加しており、年齢や勤務年数よりも成果やスキルを重視する企業も増えてきています。そのため、給与テーブルを基にした給与に、以下で紹介する前職の給与や実績、スキル・資格などを考慮した上で決定されるケースも多いです。

前職の給与

給与決定の際に、前職の給与が考慮されることも珍しくありません。
企業側が選考の段階で採用者の能力を明確に見極めることはなかなか難しいでしょう。そのような際に参考になるのが前職の給与で、企業が必要な人材だと判断した場合には、前職の給与と同程度あるいは少し高い給与が提示されることがほとんどです。
採用者としては、前職の給与を下回りにくいため嬉しい一方、前職の給与が低い場合には、その給与額をベースに考えられてしまうこともあるので注意が必要です。その場合は、入社後どのように給与が上がる仕組みなのかを事前に確認すると良いです。

実績

企業は採用者に対して、入社後一定の成果を上げることを望んでいます。そのため、過去の成果や実績も給与設定において考慮されることがあります。前職ではどのような成果を上げたのか、どのような実績を持っているのかで判断されます。
また、採用時に実績が考慮されない場合でも、入社後に能力給という形で給与が上がる可能性があります。これは一定の成果を上げた場合に給与がアップする制度で、この制度を導入している企業は具体的な内容や数字を用いて指標を作成していることが多いため、給与アップの目安がわかりやすくモチベーションも高まります。

スキル・資格

採用者の持っているスキルや資格が考慮されることもあります。特に難関資格を持っている場合には、給与が大きくアップする可能性が高いといえます。例えば、経理系であれば公認会計士、建築系であれば一級建築士など、難易度の高い資格を取得している場合には、給与額の決定に大きく影響します。
採用時に資格を持っていない場合でも、入社後、資格を取れば給与がアップすることや、特別報酬を受け取れる規定を定めている企業もあります。また、資格取得のための学習費用を企業が負担してくれたり、学習費用・受験費用を貸付金として借りられたりするケースもあります。このような制度を設けている企業に就いた際には、積極的に活用してみると良いでしょう。

転職活動において給与交渉は可能か

転職活動の中で給与交渉を行うことはもちろん可能です。交渉を行うことで選考結果に影響するのではないか、印象を悪くしてしまうのではないかと感じる人もいるかもしれませんが、反対に、自分のスキルに自信があることで良い印象を与える可能性もあります。提示された金額が自身に見合わないと感じる場合は、交渉してみましょう。
日本において、以前は企業側・採用者側の双方が、企業が提示した金額に従うというような意識が強く給与交渉するケースはあまり見られませんでしたが、前項でも解説したように、年功序列制度を廃止する企業が増加する動きの中で、これらの意識も変わってきています。特に外資系の企業や、実力重視の企業、客観的な評価制度が整備されている企業の場合、交渉が比較的認められやすい傾向にあるといえます。ですが結局のところ、交渉が成功するか失敗するかは、その企業、または採用担当者の考え方にもよって異なるため、次項で紹介するポイントをしっかりと踏まえた上で慎重に臨む必要があります。

給与交渉におけるポイントと注意点

実際に交渉を行う際に知っておくべき大切なポイントを紹介します。気を付けるべき注意点も押さえて成功率をアップさせましょう。

具体的な給与額を聞く

求人票や求人広告には、給与額が「〇万円」と明記されている場合もあれば、「〇万円~〇万円」にように、金額に幅があり明確な記載がないこともあります。その場合は、面接時に具体的な金額を聞いておくべきでしょう。
面接終盤に、何か質問はあるかという問いを投げかけられることが多いので、そのタイミングで聞くと良いでしょう。注意したいのが、唐突に「具体的な給与額を教えてください」と聞き出さないことです。「給与体系や昇給制度について詳しく知りたい」というような切り出し方を心がけましょう。採用担当者からの印象も悪くなりにくいです。

交渉前の下準備をしっかりと行う

希望の給与額で相手方に納得してもらうためには、その根拠を提示する必要があります。そのために、まずは相場をしっかりと調べましょう。相場とかけ離れた高すぎる希望額では、成功する可能性は下がってしまいます。業界・業種別の給与の相場はもちろん、可能であればその企業の平均給与額も調べておくと交渉時に役立ちます。
また、自身の実績やスキルを見直し、提示できるよう準備しておくことも大切です。ただ単に、前職でどのようなことを成し遂げたのか、どのようなスキル・資格を持っているのかを伝えるだけではあまり意味がありません。その実績やスキルを入社後どのように活かせるのかを説明することで、相手方もイメージが湧きやすく、交渉成功の確率が上がります。

印象を悪くしないよう伝える

実際に交渉を行う際、印象を悪くしないよう意識しながら伝えることがポイントです。例えば、「〇万円は欲しいです」という伝え方ではなく、「前職よりも〇%ほどの給与アップを希望しています」というような伝え方にするだけで印象は変わります。担当者が受ける印象で選考結果も交渉の成功確率も大きく変わってくるため、マイルドな伝え方と率直な伝え方を使い分けましょう。
また、複数回面接が実施される場合には、その度に希望給与額を聞かれることもあります。その際には、毎回違う希望額を伝えていたのでは説得力を失ってしまいます。あらかじめ希望額を明確に決めておき、聞かれた際にはズレのないようにしましょう。

給与交渉に失敗した場合

もしも交渉に失敗してしまった場合でも、入社後に給与アップを狙えることももちろんあります。最初の項でも解説したように、能力給の制度を設けている企業もあるため、仕事に対する意欲と共にその制度を活用したいという思いを伝えてみましょう。
また、そのような制度を設けていない企業の場合でも、「このような成果を上げたら給与額を上げてもらうことは可能か」というように、具体的な内容や数値を用いて提案してみるのも良いでしょう。

いつ交渉を行うべきか

交渉のタイミングとしては、内定前と内定後の2つに分かれます。
内定前の場合は面接時など選考の段階で行います。ただし、交渉に基本的には応じない方針の企業だと、交渉を持ち掛けたことによって不採用となってしまうことがあるため慎重に行う必要があります。
他方、内定後の場合では精神的に余裕のある状態で交渉に挑めます。企業側も内定を出した後なので、希望を聞き入れてくれる可能性が高くなります。この場合、内定が出てから、労働条件・業務内容の説明や入社日調整などを行う面談が行われるまでの期間に交渉を行いましょう。

給与交渉を転職エージェントに任せることのメリット

自分自身で交渉するのも一つの方法ですが、転職エージェントを活用することで得られるメリットもあります。

ミスマッチを防げる

転職エージェントを活用する場合、担当者が希望額や待遇をあらかじめ相手方に伝えてくれるため、企業との間でミスマッチを各段に減らすことができます。ミスマッチは転職活動にかかる時間や費用、労力など、様々な面で負担となるため、ミスマッチの回数を減らすことで、効率的で無駄のない転職活動が可能になります。

交渉方法を知っている

転職エージェントは、転職に関して豊富な知識・経験を備えています。給与の交渉に関しても例外ではありません。業界・業種ごとの給与相場を熟知しており、そもそも交渉するべきかどうか、どれくらいの確率で交渉が成功するかという点も、ある程度分かります。また、それぞれの企業に合う交渉の方法も知っているため、自分で交渉するよりも成功確率が上がる可能性が高いと言えます。

転職活動のトータルサポートが得られる

交渉はもちろん、その他の転職についての様々な相談やアドバイスなど、手厚いサポートを受けられるというメリットもあります。例えば、希望の業界・業種が自分の中で定まっていない場合や、そもそも転職するかどうか迷っている場合にも相談にのってもらえます。また、履歴書の添削や模擬面接なども可能なことがほとんどです。このように、転職活動をする過程でトータルサポートが得られる点は、転職エージェントを活用する大きな魅力です。

通販天職でのサポート内容

弊社での給料交渉のタイミングは、内定書類が出る前が多いです。書類選考の時点から現年収と希望年収はすでにお知らせしています。
書類選考が通過し、面接が1~3回ほどがある間に企業側とやりとりをします。その為、希望年収が叶いそうかどうかということについては大体把握ができます。
このような事から、弊社では内定が確定する前に最終交渉を行う事が多いです。
もちろん、前述したような、様々な相談やアドバイスなどのトータルサポートも行っています。一人では進めていきづらいことも、エージェントを経由することで進めやすくなります。
通販天職のサポートをぜひ利用し、あなたの転職活動に役立ててください。