マーチャンダイザーの仕事内容

マーチャンダイザーは流通業における「指揮者」ともいうべき、とても重要な役割を担う職です。マーチャンダイザーの仕事内容を順序立ててみると、調査 → 商品企画 → 販売計画 → 生産後の販促活動の流れになります。それぞれの仕事内容について説明していきます。

調査

商品を企画する前には調査をします。具体的には市場調査やトレンド調査です。これにより何が流行っていて市場にはどんなニーズがあるかを把握していきます。また、自社製品の売れ行きや競合他社の動向等も注視します。

商品企画

調査結果を基に商品の企画をしていきます。素材、色、デザイン、価格等を決定するこの段階では、デザイナーや商品企画スタッフとの密なやりとりが重要となります。

販売計画

商品を生産する前に販売計画を立案します。ここを誤ってしまうと在庫の過不足が発生してしまう恐れがありますので、緻密な計画が必要です。

生産後の販促活動

商品が生産され、お店に陳列されたらマーチャンダイザーの仕事は終わりかというと、そうではありません。店舗ごとの売上を確認したり、時にはあなた自身が店舗に足を運び生の情報を集めます。こうして実際の売れ行きを把握しながら、必要に応じて追加生産の可否を生産管理と相談するのも役割の一つです。

マーチャンダイザーに求められるスキル

仕事内容が多岐にわたるマーチャンダイザー。主な3のスキルを紹介します。

消費者のニーズや流行を読み取る力

商品開発の第一歩は市場の理解です。消費者がどんな商品を求めていて、現在何が流行っているのかをつかむスキルが求められます。それにより次のトレンドとなりうる商品開発につなげることができます。

データ分析力

マーチャンダイザーが把握すべきデータとして、市場調査結果、予算金額、生産数量、売上予測、実際の売上高、追加発注数などが挙げられます。データを読み解きながら次のアクションにつなげる必要があるため、データ分析力もさることながら、判断力も求められます。

コミュニケーション能力

先述の通りマーチャンダイザーの仕事は多岐にわたります。たくさんの人たちと一緒に仕事を進めていくにおいて、高いコミュニケーション能力があるほうが望ましいと言えます。具体的には、まず相手を理解する力。例えばデザイナーとのやり取りにおいては、相手のデザインの意図を正しく汲み取ることが重要です。また、店舗に足を運んだときも、販売員や買い物客の言動からその店舗の状況を理解するスキルが求められます。次にわかりやすく伝える力。例として商品アイデアの打ち合わせにおいては、デザイナーや商品企画スタッフの意見に耳を傾けつつ自分の思いもわかりやすく伝え、アイデアを形にしやすくすることが大切です。さらに正確に伝える力。調査結果、予算金額、生産量、追加発注数などマーチャンダイザーが管理すべきデータは様々です。データを基にして関係各所へ報告をしたり依頼をしたりすることも多いことから、自分の意見のみならずこれらのデータを正確に伝える力も不可欠と言ます。

マーチャンダイザーに転職をする際に気をつけること

流通業の「指揮者」ともいうべきマーチャンダイザーに魅力を感じる人多いはず。マーチャンダイザーへの転職を考えるのであれば、次の2点に注意しましょう。

企業によってマーチャンダイザーの役割が異なる

「調査」→「商品企画」→「販売計画」→「生産後の販促活動」をマーチャンダイザーの仕事として紹介しましたが、企業ごとにそれぞれの仕事への力の入れようには違いがあることを知っておいてください。また、時にマーチャンダイザーはバイヤーの役割を担うケースもあります。つまり「仕入れ」を行う役割です。場合によっては「広告の作成」まで手がけることもあるようです。同じマーチャンダイザーの求人でもこのように仕事内容が異なることがあるため、実際の仕事内容を確認しながら応募する事をお勧めします。

自分自身のスキルを把握しておきましょう

マーチャンダイザーは流通業において要とも言える存在です。全体把握が必要のため、他部門での経験(販売員、商品管理係、バイヤーなど)を積んだ後に配属されることが一般的です。流通業での仕事経験がある方はもちろんのこと、異業種から応募される方もマーチャンダイザーになって活かせる自分の強みは何か、採用が決まる前に伸ばしておく能力は何かなど、自己分析をしていくことをおすすめします。