変化をしてきた通販EC求人

「人手不足だ!」
「求人を出すぞ!」
「今のうちに求人を出さなければ!」
企業人事担当者様は、不況期と違った環境の中で苦心されているのではないでしょうか。

人手不足となってきた昨今、通販EC業界内でも
数少ない候補者様を奪い合うようになってきております。
通販天職でもご相談をいただくことが倍増しており、
弊社内でも日々考えさせられるところです。

WEBマーケティング、データ分析などの職種。
WEBデザイナー、ライティングを含めたWEBディレクションなどのクリエイティブ系職種。
EC運営やオウンドメディア関連職。
MDバイヤー、コールセンターSV、フルフィルメント物流関連職。
どれも通販天職ではメインジャンルですが、激烈な奪い合いが発生しています。

そこで、冷静に今どのような状況で今後どのようなことが
雇用環境の中で想定されるのか考えてみたいと思います。

求人数が増えている状況とは?

有効求人倍率や失業率などの雇用関連統計を見ると、
「企業側からの求人数が増えている」「奪い合いになっている」と
昨今ニュースでも取り上げられております。

気になるところとしましては、この状況が今後続くのか。
今後の見通しが出来た場合、企業様も対応策が
見えてくるのではないかと思います。

そこでシンプルに雇用環境を需要と供給で表してみました。

通販EC業界の雇用市場の変化

X軸は、求人数です。
右へ行くにつれて求人数が増えていきます。
Y軸は、価格。雇用環境で言うところの賃金や良い待遇になります。
上へ行くにつれて賃金の上昇や待遇改善を示します。

A地点が、これまでの雇用環境。
B地点が、現在の雇用環境です。

AからBに変わったのは、なぜか。
ニュースでも言うとおり、企業側からの求人数が増えたからになります。
企業側から出てくる求人は、人を求める需要です。

需要を表す線は、右下がりの需要曲線です。
人は機械のように作れば増えるものではありませんので一定。
ここで言うところの右肩上がりの供給曲線になります。
人は働くことで、雇用市場に人という労働力を供給し続けている側だからです。

さらに、通販業界の経験者である候補者様は
雇用市場の中では非常に少なく希少価値のある存在です。

その中で優秀な候補者様は希少な存在であり、奪い合いとなる存在のため賃金や待遇改善もとても早いです。
このイラストで表す場合、右肩上がりの供給曲線が急になっているのは理にかなっています。

通販経験も豊富で有能な候補者様が欲しい場合

通販業界を経験してきた優秀な候補者様は、供給曲線が群を抜いて急です。
企業様が求めるような経済環境になるとあっという間に奪い合いになります。
通常の候補者様を奪い合うのとは訳が違い、
年収の面から良い待遇を用意することも許容する覚悟が必要になってくることが分かります。

これまでは人事担当者様や現場担当者様の熱意で成功してきた採用も
「この人だ!」と思った候補者様を取れなくなってきた場合・・・

熱意以外の何かを提示する必要があります。
いや、どれだけ状況の変化があろうと対応を変えずに
熱意と根性と精神論で勝つ!という戦略であれば必要がなくなりますが。

ここでは、王道で候補者様を動かす要素を見直してみたいと思います。

  1. 給与・賞与
  2. 手当て・書籍補助
  3. 休日の待遇
  4. 時短やフレックス制度
  5. 産休、育休
  6. 財形制度
  7. 社内イベント

「どれもコストのかかる話じゃないか!」
「どうせ上長が首を縦に振らない!」
「やっぱりダメか・・・」
と思われた方は、要素の前の熱意と根性と精神論にすでに戻っています。

重要なのは、これらの要素を許容できる経済環境や経営環境であるか
判断、或いは判断してもらえるように人を動かすのかという点です。

そして、業績を上げて競合他社に打ち勝つのも競争ですが、
それ以前の競合他社との候補者様の奪い合いに打ち勝つのも競争です。

今は、すべての要素を取り入れる必要は無い環境下でもあります。
一部の要素だけの許容で素晴らしい人材に巡り合える可能性が高いです。
もし経営計画の範囲内で許容できるのであれば、
どうしても欲しい候補者様なら熱意以外の要素を使ってでも
新しい積極採用策を取り入れるのも好手となります。

このコラムを寄稿する前から人事採用面で戦略転換を図られている通販EC企業様が出てきています。
そういった企業様は、通販業界がとても限られた業界であり、即戦力となる経験者の候補者様はさらに限られる希少な存在であり、賃金が上がりやすい職であることをいち早く認識されたからです。
であれば、採用できる計画を立てられる今、勝負した方が戦略的と考えられたのだと思われます。

それぞれビジネスプランや経営環境は違うので、すべての悩んでおられる企業が戦略転換が必要とは考えていません。
もし上手くいかない事態にぶつかっている可能性を感じたら少し今回のコラムのようなこともお考えいただいた場合の方が良い可能性もあると思います。